“ANNE FRANK  HOUSE” PROJECT COORDINATOR、STEFAN VERVAECKEさん

「ステファン来日記」

   2013年9月11日から27日の帰国まで、東京から京都、広島へと精力的に主としてJEARNの学校を訪問され、ANNE FRANKパネル展開催地で講演し、中国新聞本社にてジュニアライターのインタビューを受け、多くの生徒たちに会いANNEを伝えてくださいました。各学校の訪問記をここに集めて「ステファン来日記」とし、皆さんにも読んでいただきたく、編集を清水弥生さん、赤松敦子さんに、またウェブへの掲載は浅川和也さんにお願いしました。

 私は、高槻で帰国の前日26日に Stefan さんと話しました。 このパネル展に興味がありわざわざ台湾から来られたChangさんも一緒に話しました。数カ月後には中国語版パネルが台湾各地で開催される運びになるかもしれません。

さて、今回は数冊の本と一緒に、組み立て式ミニチュア版ANNE FRANK Houseがステファンさんからのお土産でした。今は現パネル展会場の沖縄に行っています。これからはパネルとともに開催地へ移動しますので、生徒たちに組み立ててもらい展示に加えてください。 

 また、来年6月12日はANNEが生まれて85年ということでStefanさんは特別の企画を紹介してくれました。日本を皮切りにANNEの日記を様々な国語で読みまわし、地球を一周してハワイで終わるという企画です。生徒や先生も、子どもも大学生も、ジュニアもシニアも、パネル展に関わった者が日記の担当箇所を読み繋いでいく。YouTubeで配信したいですね。(JEARN 高木 洋子)

 

写真:目白大学 藤谷 哲                            

 

『ジュニアライター発』アンネ・フランク財団のフェルファーカさん

 広島にステファンさんが来られた際になされた中國新聞の子ども記者ジュニア・ライターにようるインタビュー記事です。

 http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20131007135711276_ja

 ステファンさんから子どもたちへのメッセージが特に素晴らしいと思います。

 他の記事は以下から:

  http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/index.php?topic=Junior_ja

 英語版のページもありますので、英語の授業などに対訳でご紹介いただくこともできます。交流しておられる外国の学校にも、ぜひ、広島の子どもたちが平和関連の話題について取材して発信している新聞記事ということでぜひご紹介をお願いいたします。

  http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/index.php?topic=Junior_en

 ジュニア・ライターの皆さんは平和や環境の問題について様々な取材をして広島へ来られる修学旅行生との交流なども活発にしておられます。

山口県立岩国総合高等学校 赤松 敦子

 

本当に、本当に、ありがとうございました

 神奈川県の麻生高校で世界史を教えています。夏休み、20世紀の人物を調べ、発表するという課題を出しました。多くの生徒がアンネ・フランクをテーマにしてきました。2学期の世界史の授業は、第1次世界大戦、ロシア革命、ファシズムと進んでいきます。そんなとき、高木さんから、アンネ・フランクの家の関係者の方が来日するので、学校に来ていただけるかもしれない、という知らせがありました。何と言う幸運でしょう。早速、お願いすることとしました。11月から本校で、アンネ・フランクのパネル展を人権教育の一環としておこなうことが既に決まっていたので、管理職の承認もすぐおりました。英語科の教員に通訳をお願いし、授業をすることになりました。

 黒板に貼った生徒たちが調べた模造紙を背にしてステファンさんは、高校生たちにも理解できるよう、ゆっくりとお話していただきました。後半は、アンネを調べた生徒たちが、調べた感想や質問をし、それにステファンさんが答えることになりました。ある生徒の感想を、書き記したいと思います。

 「ステファンさんの話を聞いていて、すごく悲しくなりました。同じ人間なのに、虐待を受け、苦しい思いをしていたなんて、自分が自由に生きていることに申し訳なくなりました。それも、虐待をしたのも、人間であるということが、悔しく、信じられません。こんな世界、差がありすぎると思います。今は、条約や憲法が出き、平和な国が増えましたが、まだ、戦争やテロのある不安定な国、治安の安定しない国があります。同じ時間を生きているのに、苦しむ人と、私のように勉強をすることができて、一日三食いただけて、服を買ったり、遊んだりする人、という差があるのは、絶対におかしいです。

 人間は様々な考えをします。十人十色という言葉があるように。だから、考えが違って、ぶつかったりするのはあると思うし、国の頂点に立ったら、沢山指令を出したいのもあると思います。でも、この時代のぶつかり方、指令内容は間違っています。ぶつかるのなら、言論で、指令するなら、みんなが幸せになれるようなものを。

 神様は、戦争をしてほしくて人間を作ったのではないと思います。なぜ、人間を作ったかは分かりませんが。だから、世界で一つになるべきです。助け合うべきです。悲しい過去は消えませんが、明るい未来はこれから作れます。

 私たちには、悲しい過去を伝え、この悲劇を繰り返さないことが大切です。そして、今、戦争中の国には、子どもに教育を受けさせる。そうすれば、子供たちの未来は変わるはずだと思います。

 家に帰って、この悲劇を妹に早速伝えたいです。」

 貴重な時間をいただきました。本当に、本当に、ありがとうございました。

 神奈川県立麻生高校(風巻 浩)まとめ

 

ステファン・フェルファーケさん(アンネ・フランク財団)来校

 2012年秋、jearn 高木洋子さんとの出会いから「アンネ・フランク パネル展」を実施し好評を得ました。今秋もパネル展を計画していたところ、ステファンさんの来日、京都滞在を知り、全校が集う朝礼拝と高校3年生選択科目「国際理解」にお話をしていただきました。

 本校は三分の二の生徒がいわゆる帰国生ですので、英語圏で教育を受けていた生徒たちに通訳をしてもらい、短い時間でしたが財団の働きを学ぶことができました。

 「私はアンネ・フランクの隠れ家の鍵をいつも持っています。皆さんも鍵を今日から持っています」「6月12日に一緒にお祝いをしましょう。アンネの誕生日に、平和を祝うのです」静かな、しかし、確信にみちたひとつひとつのステファンさんの言葉にわたしたちは平和への思いを新たにしました。この出会いを感謝して、「平和を作り出す」一歩を踏み出します。

京都 同志社国際中学・高等学校(チャプレン 山本 真司)

伊丹市立西中学校訪問報告

 はじまりはいつもJEARNのメーリングリストです。上野さん(沖縄尚学高等学校。附属中学校)が以前膨大なメールを溜め込まないのも情報処理能力のひとつと書かれてまして強く共感しました。というわけでいつもチラっとみてはフォルダに移動というパターンが多いのですが、土曜日深夜のステファンさん来日中という書き込みにはピンとくるものがあり、週明けの月曜日に出勤してすぐ同学年の先生に予定変更が可能か確認し管理職のOKをもらいすぐにYokoさんにメールしました。

 

 その後ステファンさんとメールのやりとりをして当日を迎えました。9月17日火曜日午後1時半に阪急伊丹駅で待ち合わせました。オランダ人ということで背の高いイメージがあり改札を通られるときに見逃してしまい、駅の中を(たぶん結構な時間)さまよわせてしまうという失態を演じてしまいました。しかし「5分前にきたばかりだよ」と笑顔でおっしゃり救われました。

 その後、私の車で学校へ向かいました。私の趣味であるテニスとサッカーの話題になり、「ナダル(スペインのテニス選手)はいいね」とか詳しいので少し驚きました。オランダはワールドカップの予選を抜けましたね というと「実はわたしはベルギー人なんだ」とのこと。ベルギーは最近サッカー界でぐんぐん伸びておりワールドカップが楽しみなようでした。

 学校へ到着すると校長先生と私の3人でしばらく談笑。その後、本番まで40分くらいあったので体育と音楽の授業を見学してもらいました。体育大会前の時期だったので学年全体の180人が授業中でした。それが講演を聴く予定の2年生というのも何かの縁ですね。ステファン先生は朝礼台の上にあがって何枚も写真撮影されていました。その後音楽授業へ移動しました。その様子は写真にもある通りです。10月の文化祭にむけてクラス合唱の練習をしていましたが、各パートの練習に近づいて写真撮影されていました。美術がお好きなそうで、廊下に展示している生徒の優秀作品もしきりに撮影されていました。

 講演はユーロ紙幣を使った「つかみ」からテーマの提示へそして日本語DVDの鑑賞最後に考えて欲しいことの提示と、さすがといった感じの流れでした。生徒たちも猛暑の中で練習した直後でしたが、よく集中していました。

 講演後は校長室で見学に来ていた伊丹市の指導主事を交えてディスカッションをしました。70年代にスリナム(オランダの植民地)や諸外国から移民が急増し学校現場が混乱したこと、それに対処するために市役所で働いたこと(日本の指導主事?)、その後、学校を監査する仕事を25年間したこと、もともとフランス語と社会科の教師だということなど、お聞きしました。

 最後に私の車で駅まで送りました。互いの家族のことなどを話しました。2年前にご両親を亡くされてまだ立ち直っていないとのこと、本当に温かいハートをお持ちです。たった数時間で親戚のような関係になりました。本当に素晴らしい先生です。お別れはストロングなハグとチークタッチでした。

 生徒たちの心は体育大会のクラス対抗意識で少々乾いていたのですが、しっかり潤ったと思います。もちろん私の心もしっかり耕されたうえに潤いました。

伊丹市立西中学校訪   岸田 真左人

 

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同時期におこなわれたアンネ・フランクパネル展より

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